新章スタート(?)
前回で連載50回目を迎えました「はななのフィッシュ日和」……これからは記念すべき100回に向けて新たなるステージに突入します! 最終目標は真鶴町で長年空っぽになっている「魚座(さかなざ)」の巨大水槽復活ですが……。
『出版甲子園』……これもまた大きすぎる、無謀なチャレンジではあります。ご存じない方にご説明いたしますと、これは20年以上も続く、早稲田大学の学生さん主催による由緒ある「出版への登竜門」になります。
小説や絵本の新人賞はよく出版社によって開催され、完成した作品を応募することでデビューが決定したりしますが、このコンテストは「甲子園」と銘打つだけあって、学生だけがエントリー可能。趣向もちょっとだけ変わっています。
ジャンルは小説というより、ノンフィクション寄り。実用書やハウツー本、学術書や論説、紀行文やエッセイなどが対象で、予選を勝ち抜いた企画者が、審査員となる編集者さんに向けて早稲田大隈重信講堂にてプレゼンを行います。完成稿による審査ではなく、プレゼンバトル!!
豆チョウ本で参戦!!
私が選んだ題材は、もちろん「豆チョウ採集」……これを本にしたくて、長年ずーっとウズウズしてきました。その一番の動機は、お友だちになかなか伝わらない趣味である上、理解してもらうのにかなりの説明を要するからです!!
まず「チョウチョウウオって知ってる?」と聞くと、ほとんどの人が「?」と微妙な顔になっちゃいます。「熱帯魚」だと説明すると、淡水魚のグッピーやエンゼルフィッシュ、海水魚でもニモやドリーに行っちゃって、手元に写真がないとイメージを伝えるだけで苦労します。
スマホ禁止の学校の外でなら、ネットの画像を見せてすぐに「あぁ!」と合点してもらえるのですが、みんな「見て」はいても「認識」はしていないビミョーなお魚。この赤ちゃんが関東の海で採集できる事を伝えると、お友だちはさらに「???」ってなっちゃいます。
そこから豆チョウちゃんを家に連れ帰って、餌付けをして、飼育するまでの話となると、長い時には小一時間もかかっちゃうほど。しかも私は過去に、同じ話を何度も何度も繰り返してきました。おまけに最後まで聞いて貰えるのは稀だったりして……。
みんなに豆チョウの魅力を伝えたい!!
ですから、この本を出版したい最たる理由は、誰のためでもなく私自身のためだったりします。でも、こんなに面白くて夢中になれる、可愛くて綺麗で、ワクワクどきどきの詰まっている、魅力いっぱいの遊びをみんな知らないなんてもったいなーい!!
両親の影響で、私は物心ついた時には「とったどー」と嗜んでいた豆チョウ採集。でも、周囲には「やっている友人」はおろか「知っている人」さえもまずいません。まさに知られざる趣味。伊豆の先端まで採集に行けば、同好の人には必ず会うんですけどね。
レアな豆チョウを採り逃すと悔しくて、ギャンブル的な射倖心が刺激される趣味でもあるので、男の人がハマりやすいのかもしれません。深く潜るテクニックや、穴場の開拓、天候や潮の流れまで、知識を極めた達人さんもいらっしゃる奥深〜い世界だったりもします。
約半年間の熱投甲子園!
でも、私が紹介したいのはその入り口です。POPで可愛く、ギアもウェアもおしゃれだったり、太陽も海も光いっぱいに輝き、カラフルで涼やかで癒されるアクアリウムとビーチカルチャーの世界。豆チョウ採集を女性にも、間口広〜くご紹介したい!!
一番近い類書と言えば、博物学の大家である荒俣宏大先生による『磯採集ガイドブック』……あまり知られていませんが、荒俣先生は磯採集を40年以上も続けてこられた大先輩。でもこの本は20年以上前のプレミア本な上、荒俣先生だけあって専門性も高〜い!
そして静岡県清水町の「幼魚水族館」館長であり、私のお師匠でもある鈴木香里武さんによる『岸壁採集』の本。スノーケルではなく、漁港での採集に特化した内容で、豆チョウも少し扱われているのですが、深海魚の幼魚という本当にディープな世界へ……。