米寿のお祝いに……
先日、おばあちゃんの米寿、88歳のお誕生日のお祝いで、家族で和洋食屋さんの『をん』さんに行ってきました。よく「隠れ家的お店」という言い方がされますが、ここは本当の「隠れ家」……『まなNAVI』で紹介するのも憚られるほど、秘密にしたいお店です。

隠れ家というくらいですから、外観からしてお店はレストラン然としていません。気付かなければ通り過ぎてしまうほど、極めて普通のお家です。入り口も黒い板張りの外壁に生成りののれん。飾りすぎない、お店の名前の通りシンプルで、シックで落ち着いた佇まいです。
中に入ると、昔ならではの懐かしい雰囲気。お店の奥さんが生まれ育ったご実家になるそうです。昔の建物は、今のように工場で部品が大量生産される住宅と違って、職人さんのこだわりが随所に見られて、豊かさに溢れています。

ここで、本格的だけどどこか家庭的なお料理が味わえちゃうなんて贅沢過ぎ! 奥さんのお料理好きが昂じて始められたお店なので、お料理の方も大量生産ではなく、ホームメイド。口に運ぶたびに「好き」が伝わってくる幸せに包まれます。
お月見膳と秋の七草
『をん』さんのお料理は、真鶴の海の幸や山の恵み、ときには自家栽培の野菜を使った月替わりコースになります。今月は「お月見膳」と命名されていて、秋のキノコと豆乳のポタージュから始まりました。シイタケの旨みと乾燥シメジがマリアージュ(言いたいだけ)した初めての味。

続いて前菜となる「お月見のひとさら」は黒い石のプレートに載せられて。かぼちゃの羊羹でつくった満月と兎ちゃんが可愛く、ジェノバソースで描かれたススキ、真鶴の魚の柚庵焼き、里芋でつくった松茸などが並びます。

次も驚いてしまったのですが、車ふのフレンチトーストが運ばれてきました。車ふといえば煮物のような和のイメージですが、それがブルーベリーをのせた洋風のひと皿になっているんです。こんなアレンジがあるんだ〜! とお料理の奥深さを実感しました。

こちらの昆布で〆めたお豆腐は、サルサソースとバジルオイルで。イタリアンに味付けされると、濃厚なお豆腐はまるでモッツァレラチーズのようになるんですね。メインとなるオックステールスープ……新生姜のご飯……もう最後まで心もお腹も大満足になりました。


実はこっそり内緒で、予約のときにお願いしていたお祝いのケーキが花火つきで登場するサプライズ! 父が存外に驚きまくっていましたが、おばあちゃんもとても喜んでくれて、こちらまで嬉しくなりました。

来月のお料理は……?
来月10月は「豊年満作膳」。人参のポタージュ、栗の渋皮煮や松葉銀杏が並ぶ「実りのひとさら」、木の子のテリーヌ、秋のサラダ、海の幸グラタン、柿の葉寿司やおむすびの入った「秋の籠弁当」、お楽しみデザートなど……メインが2〜3種になる「お気に入り膳」では、鴨料理と鮮魚のマリネも楽しめるそうです。

『をん』さんは完全予約制のお店で、10月の営業日は17〜19日と24〜26日のみ。11月と12月も月に6日だけの予定ですので、早めにインスタのDMかお電話でご予約ください。営業日を確認してから、余裕をもって計画を立てた方が良さそうですね。
